合併と吸収、共同経営で発展してきたスイス時計メーカー、今後は?

共同経営を代表するブランドと言えば、ヴァシュロン・コンスタンタンです。
1755年に誕生したこのブランドは当初はジャン・マルク・ヴァシュロンが創業者として時計作りを始めました。3代目ジャック・バルセレミィ・ヴァシュロンが引き継いだ1819年にジャックは彼の友人をブランドに迎え入れています。
それがフランソワ・コンスタンタンでした。フランソワは営業責任者としてブランドのセールスを担当して今日のヴァシュロン・コンスタンタンの基礎を築きました。
それぞれの名前を取り「ヴァシュロン」と「コンスタンタン」を合わせて現在のブランド名になります。まずフランソワンが行った事は部品の共通化でした。1800年初頭のスイス時計業界は時計職人が手作業のみに頼るため生産性の低さと部品の互換性の無さが課題でした。フランソワンは生産性を上げていかないといけないと判断します。そこで1837年にある会社に依頼していた工作機が完成、ブランドは手工業から機械工業へと成長します。
しかし彼の営業のセンスの良さが感じられる点は全てを機械化しなかった事です。同一の部品を造る工程のみを機械化して、技術力の高さが求められる箇所は伝統的なハンドメイドを残しました。このようにVコンスタンタンはクラフトマンシップと最新のテクノロジーが共存する時計メーカーとして発展してゆきます。その精神は現在も大切に引き継がれています。トケマーには多くのVコンスタンタンが売っていますが、ステンレスモデルが多いです。
このモデルも売り切れ、中古市場でも人気です。近代的な手法と伝統的な技術との共存は彼等の本社ビルに現在も引き継がれています。
現在のヴァシュロン・コンスタンタンの本社ビルは外観は近代的なビルでジュネーブに本拠地を構えています。建築家ベルナール・チュミ氏による、ブランドに相応しい近代的で国際色豊かな建物に本部従業員がブランドの繁栄のために日夜勤務しています。スイス人建築家ベルナール・チュミ氏はヨーロッパでコンサートホールや競技場の設計に実績がある方です。
このビルのコンセプトは『ダイナミズム』と『永続性』です。19世紀初頭にフランソワンが採用した『伝統的な手法は残しつつ近代的な手法を採用する』当時の考えを21世紀の現在、この本社ビルに建物として引き継がれています。ヴァレ・ド・ジュー、ジュネーブの北に位置する工房は彼等の発祥の地。発祥時の精神を忘れない事とブランドアイデンティティを保つため今も同じ所で生産していると公式HPには書かれています。
スイスの豊かな森と湖の囲まれた環境は高品質のスイス時計産むために大切な物だと僕も思います。
『スイス製時計の精度の良さはケース内にスイスの空気が含まれているから』と口にする時計ファンも多く聞きます。
これは僕も科学的根拠は無いけども信じています。