アポロ計画、宇宙飛行士の時計は皆OMEGAというのは勘違い?

1961年から1972年まで実施されたNASAによる有人宇宙飛行計画『アポロ計画』。
この計画の公式時計はOMEGAであり、宇宙飛行士の公式会見等でもOMEGAの時計を見せての物が殆どです。上のOMEGAのYouTubeでも元NASA職員ジムラーガン氏は最初の宇宙飛行用時計を決める試験を行った人物で、そのストーリーをOMEGAのサイトで語っています。採用テストにはOMEGAを含む4ブランドが参加したと語っています。これらテストをした時計は宇宙活動用の時計です。そしてそのOMEGAの時計は宇宙服の胸の上にちょうど貼り付けるような形で使用する時計でした。そのため実用的な時計というより、装備の一つみたい外観が特徴です。

しかしNASAはこの宇宙でのミッション用以外に各宇宙飛行士に市販モデルを【標準時計】として提供していました。それもまたOMEGAのSpeedmaster だったのです。この【標準時計】はOMEGAから直接仕入れた【別注品】では無く、アメリカ、ヒューストン周辺の小売店から直接購入した【市販ベースの腕時計】だったのです。それをステンレスブレスでは無くナイロンストラップに変更して支給していました。上の【別注品】の記述はNASAの公式文章に書かれていました。これら時計を見て僕等はOMEGAは宇宙飛行士が船内活動で装着している時計のイメージを持ったのでしょう。しかしその文章の中に現存する宇宙飛行士のOMEGAスピードマスターの所在を記述したリストもありました。
なぜか全員の時計の所在が書かれているわけではありません。日本ではアポロ11号のNeil Armstrongが有名ですが、アメリカでは初の月への有人飛行を達成したFrank Borman氏も有名です。彼は退役後、ビジネスマンとしても大手航空会社のCEOとなるなど、成功を収めた方です。ここでFrank Borman氏の略歴を紹介します。アメリカ空軍パイロットとして1951年から1953年まで戦闘機に搭乗。その後、1957年から1960年まで陸軍士官学校で熱力学と流体力学の助教授に就任します。そのキャリアを経て、1960年から1962年までアメリカ空軍のテストパイロットに指名され、受諾します。このテストパイロット期間の後にNASAの宇宙飛行士へと抜擢されて、1968年アポロ8号でFrank Borman氏らは月への周回起動のミッションに出発無事成功して地球に帰還しています。このミッションがアポロ11号の月面着陸につながります。
このFrank氏は上のNASAの文章でアポロ8号3人の中で唯一、スピードマスター所在リストに名前を連ねていません。