マニュファクチュールって何だろう?

「ロレックス」、「IWC」、「パテックフィリップ」、「ヴァシュロンコンスタンタン」など自社でムーブメントを製造、組立まで一貫して行う時計ブランド、『マニュファクチュール』。
その定義には人によって解釈の違いはありますが、【自社製ムーブメント】を使用することと、それを使って【時計本体の組立】を行う事、これらはMustです。マニュファクチュールブランドの中で、ケースの鋳造に至るまで行うロレックスは時計ブランドの中でも異端の存在です。上の写真はロレックス(Rolex)キャリパー4130、デイトナに搭載しているムーブメントです。
実はこのムーブメントをリリースした日こそ、ロレックス(Rolex)が真の意味でマニュファクチュールになった時かも知れません。2000年に完成したこのキャリパー、それまでロレックス(Rolex)はデイトナだけゼニス(ZENITH)のムーブメント、エリプリメロを使用していたからです。

ロレックス(Rolex)は自社HPでマニュファクチュールという言葉を使わないブランドです。他のブランドが使う、オート・オルロジュリー(複雑高級時計)やメゾン(ショップ又はブティック)という言葉も使いません。
この言葉使いにも表れているように、他社との差別化を意識した戦略が感じます。
その上で、ロレックス(Rolex)は自社製品化で全てのパーツ素材の品質のアップを目指しています。このように時計ブランドにとってマニュファクチュールは時計の品質をあげるための、到達点であります。名門ブランドがマニュファクチュール化をするのはそんな理由からが殆どだと思います。このマニュファクチュール化は品質の向上はもちろんですが、例えばIWCなどは少しその目指す所がロレックスとは異なります。IWCの目指すところは、後世にその技術やアイデンティティを伝える事も重要視しています。自社製のムーブメントも作りマニュファクチュールではありますが、それだけでは無く、時計学校を本社内に構えて、哲学を次の世代に引き継ぐ事も大切にしています。
これは、70年代や80年代に多くのブランドが閉鎖に追い込まれた事から学んでいるのでしょう。僕の過去記事にも書きましたが、IWCは70年代の終わりから80年代初頭にかけてかなりの経営危機に直面していました。
その経験から、ブランドの哲学、人材の品質向上も大切だと思っている筈です。