男の憧れ!パイロットウォッチの成り立ちを辿る

パイロットが身に着けている時計=「パイロットウォッチ」ということができるが、果たしてそうでしょうか?

気象・気圧の変化など過酷な条件のもとで求められる視認性・タフさ、そして、最も重要である正確性です。

この正確性の基準判断として、スイスにあるスイスクロノメーター検定協会(Contrôle Officiel Suisse des Chronomètres 、C.O.S.C.)による厳しい審査をパスして認定されたものが一般的にパイロットウォッチとして認知されています。1903年、ライト兄弟が「ライトフライヤー号」にて世界初の有人動力飛行に成功して以来、113年間の間に飛行機の技術は大きな進歩を遂げました。

飛行機が発祥した当初はいかにして滞空記録を伸ばすかの競争でした。
操縦士は自身の滞空記録を知るために空中での時間を知る必要に迫られましたが、当時の時計といえば「懐中時計」が主流でした。

しかし、両手で操縦桿を握り手がふさがっている状態で懐中時計を確認するのは至難だったため、懐中時計を腕に巻きつけて使用していたことがパイロットウォッチが誕生するきっかけとなりました。

その後パイロットウォッチの歩みは、飛行機の発展とリンクしていきます。パイロットウォッチは、1936年にスイスの時計メーカー「IWC(International Watch Company)」が軍人パイロットのために開発したのが最初とされています。

離陸時刻を記録するための矢印のマーカーが付いた回転ベゼルを備え、また、耐磁ムーブメントを採用し飛行機を操縦するパイロットたちが使っても十分に耐えられる高耐磁性を持った時計です。■ビッグ・パイロット・ウォッチ 52 S.C
1935年(異説あり)の航空用デッキウォッチ計画によって誕生した、士官用の高精度パイロット・ウォッチ。出撃前に航空基地のマリンクロノメーターと時刻を合わせ、その時刻を各パイロットの腕時計に伝える役割を果たす。旧所有者はドイツ空軍のヘルムート・ナーゲル少尉。彼とそのチームはこの時計と八分儀を使い、天文航法の実験を行った。マリンクロノメーター級の精度を持つ、ビッグ・パイロットならではの使い方だろう。手巻き(Cal.52S.C)。16石。1万8000振動/時。真鍮もしくはスティール(直径55mm)。重さ183g。IWC所蔵。パイロットウォッチの分野で、IWCと双璧をなすスイスの時計メーカーが「ブライトリング」です。

IWCがパイロットウォッチの販売を開始した1936年にイギリス空軍の公式サプライヤーとしてパイロットウォッチに参入しました。

1942年、ブライトリングはアメリカ軍への供給を開始し、また、初の回転計算尺付きクロノグラフである、「クロノマット」を完成させました。
このときの計算尺は、まだ一般目的用のもでした。

その後、1952年には飛行速度や燃費、上昇・下降距離などが計算できる航空航法用の回転計算尺付きクロノグラフ「ナビタイマー」を完成させました。

現在のようなハイテク計器が未発達だった当時、フライトに必要なあらゆる計算に役立つ機能として世界中のパイロットから愛用されていくのであった。