【アンティーク】ロレックス スポーツモデル プラスチックベゼルの魅力

ロレックスでは、最初に回転ベゼルを装備したターノグラフや最初のスポーツモデルである
サブマリーナにはスティールベゼル(スティール制の回転ベゼルにインデックスをプリントした
アルミプレートを乗せていた)を採用したが、GMTマスターやミルガウスのファーストモデルにのみ
アクリル製の回転ベゼルを用いました。
これが「プラスチックベゼル」と呼ばれ、ファーストモデル自体の稀少性も相まって、アンティーク
ロレックスの愛好家にも刺激的なアイテムとなっています。

このプラスチックベゼルは、スティール製、またはゴールド製のベゼル本体に、少し丸みを帯びた
アクリル樹脂が嵌め込まれており、アルミプレートの回転ベゼルに比べて、アクリル樹脂自体に
相応の厚みがあるため、立体的な造形となります。

アクリル製のベゼルの裏側から着色され、さらに蓄光塗料が乗せられるものもあります。
アルミプレートの着色はサブなどの黒、GMTマスターの青/赤、茶色などがありますが、
アルマイト加工による着色の為、経年変化で色が飛んでしまうものが多いのも特徴です。
GMTは特に褪色が多く、サブの黒もグレーに褪色してしまうことがあります。

対して、プラベゼルでは、着色方法自体が塗料のためアルマイト加工に比べると
褪色には強いです。
ファーストモデルが出て半世紀以上経過していますが、色褪せたプラベゼルは稀です。プラスチックベゼルには蓄光加工が施されています。
これだけでも現行のモデルとは異なり大きな差になりますね。

この蓄光塗料については、生産年代から考えても臭化パラジウム
が使われていると思われます。

パネライの初代モデルに用いられた、放射性物質を用いた蓄光塗料で
ラジオミールの語源となったことでも知られています。
このパネライのラジオミールが、蓄光塗料の変化によってルミノールへ
変化したように、ロレックスが用いる蓄光塗料も、文字盤下にある
Tマークで有名なトリチウムを経てスーパールミノヴァへと変化していきます。
近年では、プラベゼルの裏に塗られた蓄光塗料はラジウムだという通説があります。

今でも力強く光を放つ「生きた蓄光」であることと、初代にはTマークが文字盤に
入っていませんのでトリチウム以外ということは、消去法で考えるとラジウムであると考えられます。プラスチックの弱点と言えば、やはり耐久性・・・。
素材がアクリルなだけに、非常に割れやすいです。
GMTマスターでは、セカンドモデルで早くもアルミプレートの
スチールベゼルにリプレイスされてしまいます。

もともと生産数が少ないうえに破損のしやすさから、現在まで生き残っている
プラベゼルはきわめて少ないです。
かなりコンディションが良いものでも、細かく「欠け・ヒビ」がベゼル表面に
あることも珍しくありません。GMTマスター、ミルガウスのほかにプラベゼルをもつモデルが「デイトナ」です。
手巻き時代のデイトナですが、不思議なことにこちらのプラベゼルは
ほとんど「欠け・割れ」が見られません。
※経年劣化による破損です。ぶつけたら当然割れます!

GMTやミルガウスが生産された時代からは、5-20年くらいの開きがあるため
素材の改良か、交換パーツが豊富にあったのかは定かではありませんが
とにかく破損が少ないのは確かです。
ひょっとすると、デイトナのベゼルには蓄光塗料が塗られていない為、
GMTやミルガウスのベゼル素材は、塗料との相性が良くなかったのかもしれませんね。コンディションの良しあしに関わらず、稀少な価値のあるプラベゼル。
アンティークロレックスの愛好家は今後増えたとしても、それ以上に
アンティークロレックスが増えることはまずありえません。
ここに相場が崩れない理由があるのかもしれません。

今回のプラスティックベゼルも愛好家にとって、注目すべきデティールである事は
間違いないでしょう。