閉ざされた存在のボンドウォッチ タグホイヤー プロフェッショナル 1000

007シリーズ15作目の"リビング デイライツ"は1987年公開で、
ティモシー・ダルトンの初ボンド作品である。

それまでのコメディタッチであったロジャー・ムーアの作品と違い
シリアスなアクション物に移行したものであった。

僕の中では、ほぼ蟹江敬三にしか見えないティモシー・ダルトン。
タキシードを着ている時は、まだ良いものの
アクションシーンでは、本当に単なるオッサンと化していて
ダニエル・クレイグのアクションシーンと比べてみても
お世辞にも格好良いとは言えない。

ただ、現代好まれるクールなボンドのイメージを開拓したと云う点では
評価に値するだろう。そのティモシー・ダルトンが、なり振り構わず体を張ったアクションシーンに
彼の左腕に黒い時計が確認出来る。

画像では、はっきり確認出来ないがエンドロールなどから
ホイヤーと推定されるホイヤーが、TAG社に吸収されたのが1985年。
映画の公開が1987年で、製作は1986年になるので
年代からはタグ付きと考えられるのだが
だいたい得られたソースでは、タグ無しとの情報が多い。プロフェッショナル1000の中でも、
かなり現存数が少ないPVDモデルで
ダイアルが全面蓄光と云う当時では非常に珍しいモデルである。Refは、980.031でこれはタグ無し有りでは変わらない。
厳密に言えば、ブラックPVDの蓄光ダイアルのみがボンドモデルになるのだが
この980で始まるRefのモデルは総じてボンドと称される。SSモデルも、着用していたとのソースも見かけたが
画像を入手する事は出来なかったタグホイヤーの時計が、ボンドウォッチとして着用されたのは本作のみである。

ご存知である様にロレックスのサブマリーナーから始まったボンドウォッチのヒストリー。
現在のオメガに至るまでに様々なモデルが採用されている。
ロレックスから、セイコーのデジタルやテレビウォッチ
そして、オメガに至る過渡期にタグホイヤーのプロフェッショナルが採用されたのだ。

ボンドウォッチの中では、マイナーな存在であり、あまり知られていない事実だが
ボンド作品の新たな展開に一役かった時計であったのだ。