腕時計100年史 シリーズ⑤ クオーツショック編(1969~1980年代前期)

水晶の振動を利用した時計の歴史は意外と古く、すでに1927年にはアメリカのマリソンが開発に成功しています。
ただ、この時計は部屋ひとつ分もある、巨大で複雑な装置です。

その小型化が進むなか、1960年にはアメリカのブローバ社が金属音叉を利用して毎秒100~140振動の高精度腕時計を発売します。
ですが、パテントを公開しなかったこともあって進化は遅く、1964年にはセイコーがヌシャテル天文台コンクールにクオーツ式の卓上クリスタルクロノメーターを出品。

そして1969年12月、世界初のクオーツ式時計「セイコークオーツアストロン」の販売を開始します。

機械式腕時計が毎秒5~10振動なのに対して、アストロンは毎秒8192振動を誇り、その後、3万2768振動にまで高めたのです。
ご存知のとおり振動数が高いほど、高制動を追及するには有利。
しかも手作業の多い機械式と違ってクオーツ式は大量生産にも向いていたため、急速に低価格かも進みます。

 こうなるとスイスの伝統的な時計ブランドは手も足も出ません。余力のあるところはクオーツ式の開発を進めたが、多くはスイス時計産業の未来を悲観し、市場から姿を消すしかなかったのです。セイコー
創業1881年
創業地日本/東京
服部時計店としてスタート。1892年に「精工舎」を設立。掛け時計を製造。
1913年には国産初の腕時計「ローレル」の製造を開始。1960年には名品「グランドセイコー」を誕生させた。
クォーツ時計の先駆者でもあり、1969年には世界初の「クオーツアストロン」を発売。
近年ではゼンマイ駆動ながらクオーツで精度制御を行う「スプリングドライブ」で躍進中です。シチズン
創業1930年
創業地日本/東京
耐震時計「パラショック」や防水時計「パラウォーター」など、
国産初となる数多くの技術開発で知られる名門。

1967年には世界初の水晶電子クロックを開発したほか、電波時計の研究にもいち早く着手。

2006年にはアナログ式で世界最薄の電波時計ムーブを開発。
革新技術力で時計界のリーディングカンパニーとして認知されます。カシオ
創業1957年
創業地日本/東京
世界初のオートカレンダーを搭載した「カシオトロン」で1974年に腕時計界に進出します。
以来、世界をリードする最先端電子工学技術を導入した多機能時計分野では、
他の追随を許さないです。
1983年に元祖タフウォッチ「G-SHOCK」を発表、
2004年にはフルメタル仕様のソ^ラー電波「オシアナス」。

ともに人気シリーズとなりました。